ケアマネの将来像『今後どうなる?』

ケアマネ減少時代の到来

今年度のケアマネ(介護支援専門員)試験の受講者は5万人弱だったようだ
これは昨年の13万人から60%も減少した数字になる

もちろんケアマネの試験が始まって以来最も少ない受験者数だ
おそらく合格者数も過去最低になるのはほぼ間違いなく
1万人を下回る可能性も多々ある!

 年度 受験者数 合格者数 合格率
第1回(H10年度) 207,080 人 91,269 人 44.1%
第2回(H11年度) 165,117 人 68,090 人 41.2%
第3回(H12年度) 128,153 人 43,854 人 34.2%
第4回(H13年度) 92,735 人 32,560 人 35.1%
第5回(H14年度) 96,207 人 29,508 人 30.7%
第6回(H15年度) 112,961 人 34,634 人 30.7%
第7回(H16年度) 124,791 人 37,781 人 30.3%
第8回(H17年度) 136,030 人 34,813 人 25.6%
第9回(H18年度) 138,262 人 28,391 人 20.5%
第10回(H19年度) 139,006 人 31,758 人 22.8%
第11回(H20年度) 133,072 人 28,992 人 21.8%
第12回(H21年度) 140,277 人 33,119 人 23.6%
第13回(H22年度) 139,959 人 28,703 人 20.5%
第14回(H23年度) 145,529 人 22,332 人 15.3%
第15回(H24年度) 146,586 人 27,905 人 19.0%
第16回(H25年度) 144,397 人 22,331 人 15.5%
第17回(H26年度) 174,974 人 33,539 人 19.2%
第18回(H27年度) 134,539 人 20,924 人 15.6%
第19回(H28年度) 124,585 人 16,281 人 13.1%
第20回(H29年度) 131,560 人 28,233 人 21.5%

第21回(H30年度)

49,312 人
4,994人
10.1%
第1回~第20回合計 2,755,820 人 695,017 人 25.2%

今年度から試験の受講要件が変更になったこともあるだろうが
実に6割も減少するとは・・・

この受験者数減少の要因は受講要件の変更だと考えられている

どのような変更だったかというと

まず下記の資格ではケアマネ試験を受けることが出来なくなった

社会福祉主事任用
ホームヘルパー1級・2級、
介護職員基礎研修
介護職員初任者研修
実務者研修
介護業務 10 年 1800 日

さらに次の資格を取得して登録後5年の実務経験が必要となった

医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師
理学療法士、作業療法士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師
栄養士(管理栄養士)、義肢装具士、言語聴覚士、歯科衛生士
視能訓練士、柔道整復師、社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士

確かにかなり厳しくなったのは事実だが、その理由で済まされるだろうか?

私はそれ以外の要因があると考える

①ケアマネの仕事に対しての魅力減少

多くのケアマネは資格を生かして利用者の在宅生活を支援しようとしている
やりがい働きがいも持ちながら仕事をすることをイメージしていたはずである
ところが実務についてみると
・山のような書類業務
・理不尽な要求をするモンスターのような家族や利用者
・守備範囲が不明な何でも屋のような仕事
・容赦のない時間外の相談電話や緊急対応

②苦労が多いのに割に合わない待遇

ケアマネは馬車馬のように働かされる割に待遇が低い
最近では介護職不足から処遇改善交付金により介護職の待遇がかなり改善された
それにより介護職からケアマネに転職すると手取りが下がるという
これまでとは逆転の現象が出始めた
『こんな薄給でやってられない!』とケアマネを辞める人が増えている



③多大な労力と時間と経費を必要とする研修

ケアマネは資格を取得する際も
ケアマネの資格を維持するのにも
ケアマネの資格をステップアップするのにも
多大な時間と経費を必要とする

介護支援専門員実務研修 44h 87h
介護支援専門員実務なし再研修 44h 54h
介護支援専門員専門Ⅰ研修 33h 56h
介護支援専門員専門Ⅱ研修 20h 32h
主任介護支援専門員研修 64h 70h
主任介護支援専門員更新研修 46h

※ケアマネ資格に必要な研修時間の変更(平成28年度より)

しかも受講料は3万から6万円も必要になる
ケアマネの資格を維持するだけでもコストがかかりすぎるのだ

以上のような理由から
ケアマネの受験者数が大幅に減少したのではないかと考える

このままではケアマネが不足して
介護難民 ケアマネ難民が発生してしまうのではなかろうか?

管理者要件が主任ケアマネに変更(平成30年度改正)

さらに平成33年度から居宅介護支援事業所の管理者は主任ケアマネに限定される

※詳しくはこの記事で説明
悲報!居宅の管理者要件が主任ケアマネに! 2018年

【法改正】2018 居宅の管理者要件が主任介護支援専門員に変更 ポイントは?

~平成30年3月31日まで  平成30年4月1日~
平成33年3月31日
平成33年4月1日~
管理者  介護支援専門員 介護支援専門員
主任介護支援専門員
主任介護支援専門員

ただでさえケアマネの仕事は魅力を失いつつあるのに
主任ケアマネの資格を取得する事や
その資格を維持することは『ケアマネ退職』の格好の理由になるだろう

さらにケアマネ自体も高齢化が進んでおり


『そこまでしてケアマネを続ける必然性がない!』

と考えるケアマネが増えても不思議ではない

現に更新研修に参加していると
『今回の資格更新が最後になるだろう・・・』
と力なく話をするケアマネは結構多い

『今後人工知能(AI)などの登場によって
ケアマネの仕事は奪われるからケアマネが減少しても良い!』
と国は考えているのだろうか?

まあ『できるものならケアマネ無しでやってみるとよい!』
ケアマネがこれまでどれだけのことを担ってきたかがわかるだろう

私はケアマネを介護保険制度の母親のような存在だと思っている

・口うるさいとか
・うざいとか
・高圧的とか

言われるが、母親がいなくなって初めてそのありがたさが身に染みるだろう

ケアマネを無くして初めてケアマネのありがたみを痛感するだろう
でもそれに気づいたときは『時すでに遅し!』なのだ

ケアマネとして誕生する人は減少し
ケアマネを辞めていく人が増えていく
まさに日本の少子高齢化と全く同じ状況だと言える

それでいいのか?

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