アセスメントを学びたい

サービスの押し売りをするケアマネジャー

ケアマネをやっている人の多くは

『誰かの力になりたい』
『困っている人の役に立ちたい』

と思っているはずである
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そもそも、特別に待遇がよい訳でもない、この介護業界に入ってきている時点で
相当のお人よしか、世話焼きである可能性が高い
(※中にはそうでもない人もいるが・・・)

そんなお人よしケアマネが初回面談で『あちゃー やっちまったな〜』と思われる場面があるのだが、それはサービスの押し売りである

例えば利用者や家族から、こんな相談があった場合

『自宅でお風呂に入れなくて困っているんです・・・』
『自分で買い物に行けなくなってしまって・・・』

そんな相談が上がるや否や

『お待たせしました! ケアマネにお任せください』と胸をたたき、矢継ぎ早に介護サービスの提案を行うのである。

『こんなサービスがありますよ!』
『あんなサービスもありますよ!』

介護サービスのデパート状態になり『おすすめ商品』ならぬ、『おすすめサービス』を営業マンのようにお勧めしていくのである。

ところが、このような関わり方は以下の点から適切ではない

  1. 悪気はなくても、介護サービスの押し売りだと利用者に警戒されてしまう
  2. 自立支援の観点から、過度なサービスは利用者の自立を妨げてしまう

①介護サービスの押し売りと勘違いされる

初回面談において、ケアマネと利用者との間には、まだ信頼関係が構築されていない。利用者や家族にとっては『ケアマネとは何者なのか?』『信頼に足りる人間なのか?』という疑問をぬぐい切れていない。

そんな中で『あそこのヘルパーさんに来てもらいましょう!』『このデイサービスに行きましょう!』とおすすめ商品を並びたてられても、利用者や家族側にしてみれば『これだけ勧めるには何か裏があるのではないか?』『自分の会社の利益を優先する人間ではないか?』と逆に警戒されてしまうだけである。

サービスを提案する場合においても、あくまでも一つの選択肢として『このようなサービスがありますよ!』『利用するかどうかは利用者さんが決めることができますよ!』というスタンスで臨む必要がある。
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②過度なサービスは自立を阻害する

ケアマネはあくまでも、利用者の自立を第一に考えなくてはならない。希望第一ではない。安全第一でもない。(もちろん希望も安全も重要ではあるが)

不必要な介護サービスが、利用者の自立を妨げることも多々ある。例えば『自分で買い物に行くことができなくなった』という困りごとを持っている利用者に対して

『ヘルパーが買い物代行してくれますよ!』

と買物に行くことができなくなった原因も考えずにサービスを提案してしまうと、利用者の出来る事まで出来なくさせてしまう可能性がある。

買物に行くことができなくなった理由が、下肢筋力の低下で外出が難しくなったのであれば、買い物代行よりも、リハビリをして筋力を付けましょう!というプランの方が利用者の自立を支援する提案と言うことになるかもしれない。
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困りごとの原因を考えず、分析することなくサービスで補おうとする行為は、医師が腹痛で外来に来た患者に対して、診察も検査もせずに痛み止めを処方する行為と同じである

医師であれば腹痛の原因を診察し、検査し分析したのちに、治療をする。その一つの選択肢の中に『痛み止めの処方』があるかもしれない

ケアマネも専門職である以上、買い物に行けない原因をアセスメントし、その原因が解決できる介護サービスを提案していく必要がある

ということで、ケアマネは悪気はないのだけれど、無意識に介護サービスの押し売りをしていることが多々ある。

困りごとに対して、即効性のあるサービスをすぐに紹介したくなる気持ちも理解できなくはないが、まずは、利用者や家族の困りごと悩みを傾聴することに徹し、次にその困りごとの原因を考え、さらに利用者の希望も聞いたうえで、解決手段のうちの一つとして、介護サービスを提案する

これが本来のケアマネの姿である

『今ならデイサービス、初回限定で無料体験できますよ!』
『今なら介護ベッド1週間無料貸し出しキャンペーン中ですよ!』
『福祉用具ご利用して、効果を実感していただけないならば、全額返金致します!』

などとテレビショッピング状態にならないように気を付けなければならない! 
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★今日のまとめ★

・ケアマネは初回面談においては、信頼関係の構築を優先する(サービスの押し売りは✕)
・過剰な介護サービスは利用者の自立を阻害する
・ケアマネは困りごとの原因を考え、その原因を突き止めるアセスメントを実施する

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