ケアマネジャーは利用者さんがあって初めて成り立つ仕事だ
地域住民や医療機関から信頼され、支持され
担当依頼があって、はじめてケアマネとして飯を食っていけるわけだ
そんなわけであるから
利用者さんやその家族から
『おたくでケアマネをお願いしたいんですけど』
と依頼があれば
嬉しくてうれしくて跳び上がりそうになるのである
また、居宅の変更依頼で
『今のケアマネに対して不満があるので、おたくにケアマネ(居宅)を変更したい』
と依頼されれば、他事業所のケアマネより高く評価していただいているということで
嬉しくてうれしくて、餅まきの準備をしても良いくらいのはずである
ところが、この『ケアマネの変更依頼』というのは、実は要注意で
ケアマネは素直に喜べないところがあるのだ
◆ケアマネ変更依頼が素直に喜べない理由
なぜなら
ケアマネを変更する場合、かなりの高確率で
・ケアマネを転々と変更するケアマネジプシーのような利用者さんであったりするので
素直に喜べず、警戒モードになるのだ
残念なことに、この予想はかなり当たることが多い
そうすると
自分もいつかは『ダメ出し』をされ
ケアマネを変更されるかわからないというリスクを背負うことになり
『明日は我が身』と身構えてしまうのである
◆前担当との引継ぎ
さらに、利用者さんを引き継ぐことになった場合
前担当ケアマネと引継ぎをするわけであるが
前ケアマネの表情を見ると
『いや〜よろしくお願いします!!』と永年にわたる重荷をおろしたかのような
スッキリとした晴れやかな表情を浮かべると同時に
『あんた! 苦労するわよ!』
と言わんばかりのシメシメ顔で、お見舞い申し上げられることになり
担当を引き受けたことを後悔するが、すでに遅いという泣くに泣けない状況になるのだ
前担当のケアマネは
おそらく、利用者や家族から無理難題を突き付けられ
喉元まで心の声が出そうになっているのである
ただ、ケアマネ自身からはなるべくこの言葉は言いたくないので
早く向こうからケアマネを変更すると言ってくれないかな〜っと
常に期待しているのである
◆介護職やケアマネを苦しめるクレーマー
ちなみに
『そんなに嫌なら変更したらどうですか?』
はケアマネや医療介護に従事する者であれば
必ず言いたくなることがある心からの切実なる叫びである!
クレーマーのような家族や
無理難題を行ってくる利用者に
多くの介護職やケアマネは傷つけられている
利用者にサービス事業所やケアマネを選ぶ権利があるならば
事業所やケアマネ側にも利用者を選ぶ権利があっても良いだろう!
選ぶ権利が一方にしかないなどの不平等条約はあり得ない!
だから我々は心からこう叫ぶのである(何度でも言ってやる!)
最近ではちょっとしたことで
やれ『私は弁護士を知っている』
やれ『〇〇議員を知っている!』
やれ『新聞社の〇〇を知っている!』
などと脅しのような発言をしてくる利用者・家族が増えている
ただでさえ負担の大きい介護の世界で
ただでさえ薄給で世の為人の為に頑張っている介護職・ケアマネに
とどめをような刺すようなクレーマーに
立ち向かえる人がどれだけいるだろうか?
『すみませんでした』と涙をこらえて謝罪できる人がいるだろうか?
こんなことでは介護職やケアマネを志す人が減っていくに決まっている
そんなわけであるから
『おたくにケアマネを変更したい』と依頼があった場合
ケアマネは、うれしさ半分、警戒半分の複雑な心境になるわけである!