ケアマネの将来像『今後どうなる?』

ケアマネが国家資格であるべき7つの理由

ケアマネは介護保険制度の要と言われ、多くの人が目指す憧れの職業でもあった(過去に・・・)

そんな輝かしい時代も過ぎ去り、ケアマネを取り巻く環境は年々厳しくなっている。

そのような中でも

  • 現在ケアマネ業務についている人
  • これからケアマネに就こうと思っている人
  • ケアマネの資格取得にチャレンジしてみようと思っている人

大なり小なりいることはうれしいことであり、応援したくもなる

しかし、一方でこれらの人々の疑問の中に

  • 『ケアマネは今後需要はあるのか?』
  • 『ケアマネの将来はどうなるのだろうか?』

といったものがあるだろう

今日はケアマネジャーの今後を占う上で、重要なキーワードとなる

『ケアマネジャーの国家資格化』について考えてみたい

★この記事に書いてあること★

ケアマネジャーが国家資格であるべき理由

理由① 基礎資格が国家資格
理由② 資格取得の難易度
理由③ 資格保持の難易度
理由④ 責任の重たさ
理由⑤ 業務独占である
理由⑥ 全国どこでも通用する資格である
理由⑦ 地域包括支援センターの3職種である

国家資格化への見通しは?



さて皆さん想像してみてください

病院でのカンファレンス

参加者は

  • 医師
  • 歯科医師
  • 薬剤師
  • 看護師
  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士
  • 栄養士
  • 調理師
  • 社会福祉士
  • 精神保健福祉士
  • 介護福祉士
  • 保育士
  • ケアマネジャー(介護支援専門員)

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医療・介護のオールスターである(※これほどの職種が集まることは珍しいが・・・)

さてここで問題です!
この職種の中で、国家資格ではない資格はいくつあるでしょうか?

答えは・・・・

1つ

そしてその職種とは何を隠そうケアマネ(介護支援専門員)である

この現状をご理解いただいたうえでこの記事を読んでもらいたい

上記にあるように、医療・介護の職種の中でなぜかケアマネジャーだけ国家資格ではなく、都道府県知事の任用資格に成り下がっている・・・

私はケアマネ歴約20年で、人生の半分近くをケアマネとして過ごしてきた。よってケアマネは生活の中心となっており、またこうして多くの人々にブログを見てい頂いてるので、思い入れの強いケアマネジャーという資格は、国が認める国家資格であってほしいと思うし、当然そうあってしかるべきだと思っている。

しかし、上でも記載したようにケアマネはなぜか国家資格ではない。

今からケアマネジャーが国家資格であるべき7つの理由について説明したい!

理由① 基礎資格が国家資格

ケアマネジャーの資格は一部の例外を除いて、基礎資格(国家資格)が必要だ。例えば介護福祉士や看護師、社会福祉士など

その基礎資格をベースにケアマネの資格を取るのだから、当然ケアマネは基礎資格と同等かもしくは、それ以上の資格と思っても決して言い過ぎではない。

しかもケアマネ資格試験を受けるには、その国家資格での実務経験が5年も必要であり、それだけ幅広い知識や技術が求められる資格と言うことだ

つまり国家資格プラスアルファの知識や技術が求められるにもかかわらず、その基礎資格を超えられぬ任用資格なのである

理由② 資格取得の難易度

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ケアマネジャーの試験の合格率は非常に低い!第21回(2018年)の試験は合格率なんと10.1%!これほど狭き門で、難関資格であるにもかかわらず国家資格ではないのだ!

介護支援専門員実務研修受講試験の受験者数等一覧
(平成10年~平成30年)

 年度  受験者数 合格者数 合格率
第1回(H10年度) 207,080 人 91,269 人 44.1%
第2回(H11年度) 165,117 人 68,090 人 41.2%
第3回(H12年度) 128,153 人 43,854 人 34.2%
第4回(H13年度) 92,735 人 32,560 人 35.1%
第5回(H14年度) 96,207 人 29,508 人 30.7%
第6回(H15年度) 112,961 人 34,634 人 30.7%
第7回(H16年度) 124,791 人 37,781 人 30.3%
第8回(H17年度) 136,030 人 34,813 人 25.6%
第9回(H18年度) 138,262 人 28,391 人 20.5%
第10回(H19年度) 139,006 人 31,758 人 22.8%
第11回(H20年度) 133,072 人 28,992 人 21.8%
第12回(H21年度) 140,277 人 33,119 人 23.6%
第13回(H22年度) 139,959 人 28,703 人 20.5%
第14回(H23年度) 145,529 人 22,332 人 15.3%
第15回(H24年度) 146,586 人 27,905 人 19.0%
第16回(H25年度) 144,397 人 22,331 人 15.5%
第17回(H26年度) 174,974 人 33,539 人 19.2%
第18回(H27年度) 134,539 人 20,924 人 15.6%
第19回(H28年度) 124,585 人 16,281 人 13.1%
第20回(H29年度) 131,560 人 28,233 人 21.5%
第21回(H30年度) 49,312 人 4,994人 10.1%

もちろん合格率だけで資格の難易度が測れるわけではないが、それにしても100人受験して、90人が不合格となる資格試験であるにもかかわらず、国家資格ではない

難易度ばかりあがって、その待遇社会的地位があがらなければ『やってられねぇー』という声が出るのは当然である。

理由③ 資格保持の難易度

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ケアマネジャーはその資格を保持するのにも多大なコストが必要である。

介護支援専門員法定研修の時間

研修名 時間
実務研修  87時間
実務なし再研修  54時間
専門研修課程 Ⅰ  56時間
専門研修課程 Ⅱ  32時間
主任介護支援専門員研修  70時間
主任介護支援専門員更新研修  46時間

介護支援専門員法定研修の受講料平均

研修名 受講料平均
実務研修  5万~6万
実務なし再研修  3万~4万
専門研修課程 Ⅰ  2万~3万
専門研修課程 Ⅱ  2万前後
主任介護支援 専門員研修  4万~5万
主任介護支援 専門員更新研修  3万~4万

このようにケアマネジャーの資格は取った後も、定期的に研修に参加する必要があり、職種としてのレベルアップを求められる資格であるにもかかわらず国家資格ではない・・・

世の中の資格でこれほど資格を維持するのに時間的、経済的コストがかかる資格も珍しい!



理由④ 責任の重たさ

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ケアマネ(介護支援専門員)は『介護保険制度の要』職種である。ケアマネとの出会いが、利用者や介護者の人生を大きく左右する。

  • 良い医師との出会いが命の分かれ道
  • 良いケアマネとの出会いが人生(生活)の分かれ道

そう言われるほどケアマネが与える利用者へのインパクト(影響力)は大きい!

またケアマネジャーは介護保険の支給限度額を管理する権限が与えられており、そういう意味で年間で1億近い社会保障費を動かすほどの資格である

※計算根拠

  • ケアマネ1人35件担当(1ヶ月)
  • 利用者の要介護度は要介護3とする
  • 要介護3の支給限度額:約27万円(1ヶ月)

35件×27万円×12ヶ月=約1億1千万

つまり一人のケアマネジャーが1億を超える社会保障費の采配を任されているわけだ!

そんな責任の重たい職種であるにもかかわらず、国家資格ではない・・・

理由⑤ 業務独占である

ケアマネは業務独占の仕事である。(セルフケアプランを除く)
業務独占とは、その資格がなければ、その仕事を行うことができない業務、例えば医師や看護師などが代表的な資格である。

ケアマネジャーもその資格がなければ、介護保険制度におけるケアマネジメントを行うことは出来ない。

一方で国家資格の中には業務独占ではなく、名称独占の資格が数多くあるにもかかわらず、業務独占のケアマネは国家資格ではない

その資格がなければ仕事ができないということは、つまり仕事の専門性が高く、高度な知識や技術を求められるということに他ならない

そうであれば業務独占であるケアマネは国家資格であって当然である

理由⑥ 全国どこでも通用する資格である

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ケアマネは都道府県知事が認める任用資格である。にもかかわらず、他県に行っても登録の変更さえすれば、どの都道府県でも通用する資格である。

東京都知事が認めたとしても、大阪に引越しすれば大阪府知事も自動的に認めてくれる・・・
つまり
『東京都知事が認めたぐらいなんだから、大阪府知事だって無条件で認めちゃうよ!』ということだろう

だったら最初から国が認める国家資格でいいじゃないか!

全国、北海道から沖縄まで通用する資格なんだから国家資格でかまわないのだ!

理由⑦ 地域包括支援センターの3職種の1つである

地域包括支援センターには柱となる3職種が配置されている。

  • 保健師
  • 社会福祉士
  • 主任ケアマネ

しかし、保健師(看護師)や社会福祉士は国家資格であるにもかかわらず、主任ケアマネは国家資格ではない。

包括における責任の重たさや業務量などを考えると、なぜ主任ケアマネだけが国家資格ではないのか?理解に苦しむ

この三職種は地域包括支援センターにおいては同列に扱われており、だとしたら主任ケアマネは国家資格であるべきだ!

国家資格化への見通し

このように、ケアマネは責任の重さ他の資格とのバランスを考えたならば、個人的には国家資格として扱われて当然だと思う。

病院のキーパーソンが医師であるなら、在宅介護のキーパーソンはケアマネであり、利用者の生活を支える重要な役割を担っている。

医師や看護師、介護福祉士と同等、いや場合によってはそれ以上に高い専門性重い責任を背負って仕事をやって来た

にもかかわらず国の偉い役人や大学の先生方は

  • 『なぜケアマネを国家資格にしないとだめなの?』
  • 『ケアマネを国家資格にすれば質は向上するの?』
  • 『これ以上国家資格増やしてどうすんの?』
  • 『ケアマネジメントは社会福祉士の行うソーシャルワークの一部に過ぎない!』

などといった意味不明な理論によって実現が困難になっている

ケアマネのことをご当地検定の資格ヒヨコ鑑定士くらいにしか見ていないのだろうか?
(※ヒヨコ鑑定士の皆さんごめんなさい!)

国家資格化への道のりとしては次のような課題がある

  • ケアマネジャーの教育機関(大学や専門学校)での養成課程をどうするか?
  • ケアマネジメントの学問は存在するのか?
  • 現在の有資格者をどのように取り扱うか?

現在の国の流れとしては、日本中に増えすぎた資格を整理していきたいという思いがあるらしく、これ以上『新しい国家資格を作りたくない』というのも本音だろう

このような場合、国と対等に渡り合える強固な組織・団体を作り、政治力を活かして交渉していく必要があるのだろうが、今のところそれも期待できない・・・

厚生労働省の老健局長ははっきりと
『新たな国家資格を作るには議員立法しかない』とまで発言している

ということでケアマネの国家資格化の実現は厳しい!というのが正解だと思う

★今日のまとめ★

・ケアマネジャーは責任の重たさや専門性の高さを求められるにもかかわらず国家資格ではない

・資格取得の難易度や資格を維持するためのコストがかかる割に、社会的に認められない現状に、現役ケアマネには『やってられない感』が強まっている

・他の医療職や介護職と対比してみても、ケアマネは国家資格と考えても不思議ではない

・今後ケアマネが国家資格になる見通しは厳しい!