ケアマネの将来像『今後どうなる?』

ケアマネージャーは廃止となるのか?

世間では
『介護職処遇改善!8万円アップ』
『消費増税分は介護職の待遇改善へ!』

などと景気の良い話が聞こえてくるが・・・

我々ケアマネに関して聞こえてくるニュースは

  • ケアマネ試験受験者数大幅減
  • ケアマネ試験合格率10%台 ケアマネ減少時代の到来!
  • 介護職の処遇改善!ケアマネは蚊帳の外
  • ケアマネジメント自己負担の導入!
  • 人工知能(AI)がケアプラン作成

など、ネガティブなニュースの連発で
さすがに気がめいってくる・・・

多くのケアマネは
『このままケアマネと言う仕事は廃止されるのだろうか?』
と言った、失望・不安・あきらめの気持ちでいっぱいであろう

結論から言えば!
『ケアマネージャーが廃止されることはない!』
と断言できる

ここでは

ケアマネ廃止と噂が立つ理由と

ケアマネが廃止とならない理由について検証してみたい

ケアマネが廃止と噂が立つ理由

ケアマネの合格者減少

今後、ケアマネの数は確実に減少していくだろう
平成30年度の合格者数は5,000人を割っている。
最も合格者の多かった第1回試験の合格者数は91,269人なので
なんと第1回の5%の数でしかない・・・
また、ケアマネ(介護支援専門員)も年齢が高齢化しており
定年後も体に鞭打って働いている高齢ケアマネが多数存在する
つまり、生まれてくるケアマネは減少し、高齢ケアマネが増える
まさに『ケアマネの少子高齢化』である。

介護職への回帰

過去の話をすれば、ケアマネは介護職からの転職が圧倒的に多かった
つまり、介護職からのステップアップの資格として認知されていたのだ
介護の現場で経験を積んだ介護福祉士が、更なる高みを目指して
ケアマネの仕事に転職することはよく聞く話だった
ところが、最近では
『ケアマネって合格率低いんだって』
『ケアマネになると給料の手取りが下がるよ』
『ケアマネやると更新研修が大変だって』
『ケアマネって書類作りで残業が多いらしいよ』

などと言ったネガティブキャンペーンによって
ケアマネに転職することを拒否したり
ケアマネから介護職に戻る人たちが続出しているのである

ケアマネジメントの利用者負担

介護保険開始当初から、ケアマネジメント料については
全額介護保険から給付されていた。

ところがここにきて、ケアマネジメントにおいても
他の介護サービス同様、利用者負担を取ったらどうか?
という声が大きくなってきた。
これにより、ケアマネは一層仕事がしづらくなるだろう
『金を出せば口を出す』これが人間の性である
ケアマネは利用者や家族の言いなりになる可能性があり
専門性を発揮しにくくなるのは間違いない

また、民間事業所によるケアプラン作成代行サービスなどが発生し
ケアマネは新たな競争相手と仕事をしなくてはならない

このようにケアマネの将来は決して明るいとは言えず
『ケアマネージャーは廃止されるのか?』
といった疑問だ生じるのは当然と言えるだろう



ケアマネ廃止とならない根拠

では、本題の
『ケアマネージャーは廃止されるのか?』
という疑問だが
『ケアマネージャーは廃止されることはない!』
と答えたい

ケアマネは介護保険制度の要であり
地域包括ケアシステムの中心職種であるからだ

ケアマネの中には
『そんなにケアマネにダメ出しするんだったら、公務員が自分でやれよ!』
と言う声がよく聞こえてくる
ご意見はごもっともだが、
プライドばかり高い公務員がこんなに面倒なことをするはずがない
いやできるはずがない!(能力的にも人件費的にも)
おっと口が過ぎた・・・

日本の介護保険制度において
ケアマネジメントシステムは最大の売りと言っても良いので
ケアマネジメントの仕組みが無くなることはないと思われる

さらに、介護保険制度を利用している人に聞いたアンケートでは
99%の利用者がケアマネを信用していると答えている。

出典厚生労働省「平成27年度介護報酬改定の効果検証及び調査研究に係る調査」

ケアマネの将来像は?

しかし
現在のケアマネを取り巻く環境や状況を考えると
今のままの職域を守れるとは思えない

ある程度は身を切る改革、痛みを伴う改革が行われるはずである

それでは具体的に

人口知能(AI)との二人三脚

人工知能によるケアプラン作成によって
ケアマネの仕事は無くなるのではないか?

という噂があちらこちらで聞こえてくる

また無くならないにしても

ケアプラン作成の多くを人工知能に任せてしまおう!
という嬉しいような、悲しいような声が聞こえてくる

時代の流れとは言え、ケアマネの職域を奪われるようでいい気持ちはしない

私の予想としては・・・

ケアマネは書類作成業務が多く、不要なペーパーワークに疲弊している
これは歴然とした事実である

また、ケアマネの熟練度によりケアプラン内容が大きく異なる
これもまた否定しがたい事実である

このような理由から、膨大なデータベースから捻出された
モデルケアプランなるものが提示され
それをベースにケアプラン作成をしていくことになるのは間違いないだろう

ケアマネジメント対象者の縮小

これまでの制度改正で、要支援認定の利用者のケアマネジメントを
地域包括支援センターに譲った経緯がある

おそらく、今後は要介護1や2と言った軽度者も
ケアマネのマネジメント対象から外されるのだはないだろうか?

このように
人工知能の活用、対象者の縮小を国が青写真として抱いているならば
ケアマネジャーの数が減少しても問題ない訳だ

つまり
ケアマネージャーは廃止されることはないが
現在の業務の多くが対象から外されることになる

という結果が導き出される

だとすれば、ケアマネジャーの数はそれほど要らないわけであるから
現在のケアマネ減少現象も納得がいくわけである

★今日のまとめ★
【予想】
・ケアマネージャーが廃止されることはない!
・人工知能AIとの二人三脚でケアマネジメント実行!
・ケアマネジメント対象者を要介護3以上に絞り込む!