この世の中の資格仕事を見渡してみると
業務独占の資格と名称独占の資格がある。
業務独占とはその資格を保持しなければ業務を一切行えないような仕事
名称独占とはその資格を保持しなければ名乗ることは出来ないが、業務は必ずしも行えないわけではない仕事
一例をあげてみると
名称独占:介護福祉士 社会福祉士 調理師 栄養士 保育士などなど
さてケアマネ(介護支援専門員)は業務独占だろうか?名称独占だろうか?
現在、介護保険制度におけるケアマネジメントや給付管理業務はケアマネの有資格者でなければ行うことは出来ない。なので、ケアマネジャーの仕事は業務独占である!
ところが・・・
そうとも言い切れないのがケアマネの仕事の不思議なところである
1つめ
ケアプランは実は利用者自身が作成することが可能である
少数ではあるがケアプランを自己作成している利用者やそれを支援している団体もあるようだ。
2つめ
地域包括支援センターの予防プラン
要支援認定者や事業対象者の判定を受けた利用者の介護予防のケアプランは、地域包括支援センターの職員であれば、必ずしもケアマネの有資格者でなくても作成することが出来る。つまりケアマネの資格を持たない看護師や社会福祉士などでもケアプランを作っている実態がある
このような状況を見た時に
『な~んだ ケアプランなんて素人でも作れるんじゃん!』
『だったらケアマネなんて資格いらないじゃん!』
という話に必ずなる
なるほど、確かに一理ある・・・・
これはケアマネの仕事の内容に起因する部分が大きいのだ
ケアマネの仕事というのはスルメのような仕事で
とりあえずやっつけ仕事で済ますことも出来るが
やればやるだけ奥が深く
『すること』
『しなくてはならないこと』
が増えていくようになっている。
つまり『噛めば噛むほど味の出る仕事』なのだ!
例えば最低限の仕事のレベルで済まそうと思えば
ケアプランだけ適当に作って
なじみの事業所にサービス調整だけして
後で指摘されないように最低限の記録さえ残しておけば
とりあえずケアマネの仕事の体をなす。
一方で
本当にその利用者の生活を支える覚悟でケアマネジメントを行っていけば
『やるべきこと』
『やらなくてはいけないこと』
がどんどん増えていく。
なぜならそこには『利用者の生活』という
責任の重たいテーマがあり
さらには非科学的で方程式では解決できない問題が
山積みになっているからである。
つまり
私に言わせると
現に他職種から
『なんでケアマネってあんなにピンからキリまでいるの?』
とよく言われる
このことについては下記の記事で書いているが
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ケアマネの仕事内容がふり幅が大きく
最低ラインでも成り立っている実態は間違いなくある
そんな仕事だから
ケアマネジャーの中には最低限の仕事しかせず
利用者の生活を支えるというミッションを忘却し
自社の利益追求にのみにエネルギーを注いでいる
ブラックケアマネが存在するかと思えば
利用者の生活の支援者として信頼を受けている
神対応のケアマネも存在しているのである。
私は現役のケアマネであるから
『ケアマネジメントはケアマネ以外にできるはずなどない!』
と思っているし
実際に合格率10%台の難関試験をクリアし
何十時間にも渡る更新研修を受けてきたケアマネ以外が
ケアプランを作成すること自体『あり得ない!』と思っている
しかし
我々ケアマネ自体も利用者の生活支援者としてのクオリティをあげていき
職種としての結果や実績を残していかなければ
『ケアマネ不要論』も出てくることになるのは当然である。
そのためにはまず
最低ラインのブラックケアマネを業界から退場させることが先決だと思われる。
全国のケアマネジャーの仕事っぷりを平均点で表すならば『50点』だとする。
それは全国のケアマネ全員が50点の仕事をしているわけではなく
10点や20点レベルのケアマネが存在することにより
80点や100点の仕事をしているケアマネの評価まで下げているのである
そんなケアマネは業界から退場してもらいたい。
さらに言うならば
10点のケアマネを排除するために
ルールを改正ごとに厳しくしている現状は
100点のケアマネまで疲弊させ
同時に業界から退場させている実態も国は知るべきである!
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