介護保険改正の解説

退院・退所加算の算定用件を解説

 今日は退院退所加算について説明する

退院退所加算の算定用件

利用者の退院・退所にあたり、ケアマネが病院や施設等に赴き、当該職員との「面談」により「利用者に関する必要な情報」を得た上で、当該情報を反映したケアプランを作成した場合に算定する。

利用者が退院・退所後にサービス利用を開始した月に算定する。
つまりサービス利用があっての加算なので、月末までにサービスの利用がなかった場合は残念ながら算定できない
原則として退院・退所前に「利用者に関する必要な情報」を得ることが望ましいが、退院・退所後1週間以内に情報を得た場合も算定できる。
「利用者に関する必要な情報」とは、「標準様式例(退院・退所情報記録書)」に示されている内容を基本とし、その他ケアプラン作成に必要と思われる内容があれば、適宜含める。

病院・施設職員と面談して得られた情報を、「退院・退所情報記録書」または独自に作成した様式等に、原則としてケアマネが記録すること。
※つまり病院スタッフに書かせるな!ということ

退院・退所加算は、入院又は入所期間中3回まで算定することができる。 ただし、3回算定することができるのは、そのうち1回について、入院中の担当医等との会議(カンファレンス)に参加して、退院後の在宅での療養上必要な説明を行った上で、居宅サービス計画を作成した場合に限る。
「初回加算」を算定する場合、併用で算定できない。

さあ、ここでQ&A方式

Q1
「初回加算」を算定する場合は「退院・退所加算」を算定しない”とあるが、どちらの算定用件を満たす場合はどちらが優先されるのか?
A1
 退院・退所加算と初回加算のどちらを優先するという定めはない。従って、それぞれの算定要件を満たしている場合、事業所の選択によりどちらの加算を算定しても差し支えない

Q2
 同一月中に同一医療機関を入院・退院した際、入院時の情報提供並びに退院時
の情報共有を適切に行えば、同一月に同一医療機関に対して、入院時情報連携加算、退院・退所加算をそれぞれ算定できるか?
A2
共に適切に情報提供・情報共有していれば、それぞれ算定可能

図2

Q3
退院・退所加算を算定する際、病院等との情報共有に当たっては、必ず「退
院・退所情報記録書」を使用しなければならないのか?
A3
必ず「退院・退所情報記録書」によらなければならないものではない
「退院・退所情報記録書」は、あくまで、当該加算の算定を担保するための標準様式例として国が提示しているものであり、当該様式以外の様式等の使用を拘束する趣旨のものではない。
ただし、当該様式によらない場合、当該様式で示されている記載項目を追加す
ることは差し支えないが、当該記載項目を省略することは、利用者に関す
る必要な情報を網羅していないと考えられることから、少なくとも、国が提示し
ている記載項目を備える必要がある

Q4
退院・退所加算を算定する際、ケアマネではなく、病院・施設等職員
から「退院・退所情報記録書」等を作成してもらうことは可能か?
A4
当該加算は、あくまで病院・施設等と情報共有・連携を図った居宅介護支援事業所に対して、その手間を評価するものであることから、病院・施設等職員
に対して、一方的に「退院・退所情報記録書」等の記載を求め、当該加算を算定することは不適切と考える。
ただし、病院等職員と面談して適切に情報共有を行った上で、結果として、病院等職員が自ら情報記録書等を記載することを妨げるものではなく、その場合、
ケアマネが改めて当該情報記録書等に記入し直す必要はない。

Q5
面談を行わず、書面や電話等により情報共有した場合は、退院・退所加算を
算定できるか?
A5
面談が原則であり、面談を行わなかった場合は、当該加算を算定できない。
なお、面談を行った上で、併せて書面や電話等により情報共有を行うことは差し支えない。

Q6
退院・退所時に病院等職員と面談して適切に情報共有を行い、サービス担当
者会議の開催などの一連のケアマネジメント過程を行った結果、利用者の状態
に大きな変化がなく、居宅サービス計画の変更の必要がなかった場合、当該加算を算定できるか?

A6
退院・退所加算は、病院・施設等職員と面談して必要な情報を収集し、当該情報をケアプランに反映させる一連の手間を評価するもの。
従って、病院等との情報共有やケアプラン変更に向けたケアマネジメント過程
を適切に行っていれば
、仮に、結果としてケアプランの変更の必要がなか
った場合であっても、当該加算を算定可能

Q7
「退院・退所した月」と「退院・退所後にサービス利用を開始した月」が異なる場合、退院・退所加算はどのように算定するのか?

A7
退院・退所加算は、退院・退所後に利用者がサービス利用を開始した月(ただ
し、退院等日の属する月の翌月末までにサービス提供があった場合に限る)に算定する。
従って、例えば、5月に退院・退所し6月からサービス利用開始の場合、6月
分の給付管理時に当該加算を算定できるが、5月に退院・退所し7月からサー
ビス利用開始の場合、(退院・退所に当たって情報を得てからサービス利用開始
まで相当期間が経過しており、その間に利用者の状態等の変化が想定され、当該
情報共有等を評価することができないため)当該加算は算定できない。
図3

Q8
退院・退所した後、病院・施設等と情報共有を行った場合、退院・退所加算
を算定できるか?
A8
退院・退所前に情報共有を行うことが原則だが、退院・退所後7日以内に病院・施設等と情報共有を行っていれば、当該加算を算定可能。


Q9

A病院を退院して居宅サービスを利用していた利用者が、さらに同一月中に
B病院に入院・退院して居宅サービスを利用した場合、当該月中に両病院とそれぞれ適切に情報共有していれば、当該利用者について、同一月中に「退院・
退所加算」を2回算定することができるか?
A9
算定可能。
共に適切に情報共有していれば、それぞれ算定可能。

図4

Q10
退院・退所加算を3回分算定する要件とされている「入院中の担当医等との
会議(カンファレンス)」とは、どのようなものか?
A10
「入院中の担当医等との会議(カンファレンス)」とは、診療報酬の算定方法
別表第一 B005「退院時共同指導料2 注3」の対象となるものであり、当該会議において、退院後の在宅での療養上必要な説明を行うことが必要。

Q11
「入院中の担当医等との会議(カンファレンス)」において、退院後の在宅 療養上の必要な説明は誰が行うのか?
A11
当該カンファレンスは、診療報酬の算定方法別表第一 B005 の「退院時共同指
導料2 注3」の対象であることが要件になっており、そこでは、医療機関側と
カンファレンス参加者であるケアマネ等が共同して説明・指導を行うことが定められている。したがって、説明者は、医療機関側に限らず、ケアマネも当然に含む。 

Q12
情報提供やカンファレンスを合わせて3回行った場合について、3回ともケアプランの作成や居宅サービス等の利用調整を行わなければ、当該加算
を3回算定することはできないのか?
 A12
情報提供とカンファレンスを合わせて3回行った場合に、3回分すべてが1つのケアプランや居宅サービス等の利用調整に反映されていれば、当該加算は算定可能(ケアプランの作成や居宅サービス等の利用調整を3回行わなければ3回分の加算が算定できないと言うことではない)。 


Q13

転院・転所前の医療機関等から提供された情報を居宅サービス計画に反映した場合、退院・退所加算を算定することは可能か?
A13
算定可能。 退院・退所加算は、原則、利用者の状態を適切に把握できる退院・退所前の医 療機関等との情報共有に対し評価するものだが、転院・転所前の医療機関等か ら提供された情報であっても、居宅サービス計画に反映すべき情報であれば、退院・退所加算を算定することは可能。 なお、この場合においても、退院・退所前の医療機関等から情報提供を受けていることが必要であることに留意が必要

図5

Q14
退院・退所加算を3回分算定する要件とされている入院中の担当医等との会
議(カンファレンス)を行った後、情報共有を行ったものの、その後転院し、
転院後の医療機関等とも情報共有を行った場合、退院・退所加算を3回分算定
することは可能か?
A14
退院・退所加算を3回分算定可能。
ただし、転院後の病院と情報共有を行っていること、転院前の医療機関等と行った情報共有により、退院後の居宅サービス計画に反映すべき有益な情報が得られた
ことが必要。 

図6

※居宅介護支援に関する新潟県版Q&A(H25.6 月)参照