ケアマネジャーの主張

サービス提供拒否事例は大変!

ケアマネの支援困難事例は数多くあれど
その中でもとても大変なのが
『サービス提供の拒否事例』である

生活状況は荒れており、早急に支援の必要があるが
下記のような理由でサービス提供を拒否する利用者がおられる

例えば
・認知症
・アル中
・精神疾患
・貧困
・性格がとても頑固

そんな状況であっても、ケアマネはめげず・くじけず・あきらめず
サービス利用へとつなげていくのである

しかし、世の中の職業や商売を見渡してみて
サービス提供を拒否しているのに、それでもなおあきらめずに提案し続ける職業などあるだろうか?

車の販売でも
スーパーマーケットでも
デパートでも
客が『買わない!』と言っているのに、継続して声をかけ続けるお人よしなど存在しない
普通のビジネスであれば、買う気もない人に時間をかけるよりは
買ってくれる見込み客に時間と労力をかけたいと思うのが常識である

何?
一般ビジネスと社会保障を一緒にするな?

それなら医師はどうだろうか?
医療の提供を拒否する患者に、根気よく説明して、場合によっては自宅に訪問し
医療を受けるよう時間をかけて説明する医師などめったにいない
もしかしたら、そんな神のような医師がいるのかもしれないが
そんな医師がいたら
テレビで特集されるわ 映画になるわ 小説になるわで
素晴らしい医師として
『情熱大陸』『プロフェッショナル仕事の流儀』あたりで紹介されるだろう
ここがケアマネと違うところである
なぜなら、ケアマネはあきらめないのが当たり前で
提供拒否事例をあきらめたら、『ダメなケアマネ』のレッテルが貼られるのである

そんなことを言えば、地域包括支援センターは
『地域に住むサービス提供拒否事例にあきらめずに働きかけているじゃないか!』
と言われるかもしれない 
『そんなものは当たり前だ!』
なぜなら、それが彼らの仕事だからだ
彼らはその活動をすることで、報酬をもらっているのだ

しかしケアマネはサービス提供を拒否されれば、給付が発生しないので無報酬だ!
ボランティアだ!

ケアマネは提供拒否の事例だけに関わるわけにはいかないのだ!
他にも自分の訪問を待っている利用者がいるのだ!

私が言いたいのは
『提供拒否事例なんかほっとおけ!』とか
『報酬をくれ!』ということではなく
(まあもらえるのなら、拒みはしないが・・・)

無報酬でこんな大変な仕事をさせられるケアマネがなぜ
こうも、世間からダメ出しをされるのかが納得がいかないのだ

ケアマネは他業種であれば、とっととあきらめる『サービス提供拒否事例』

褒められるわけでもなく
特集されるわけでもなく
報酬をもらうわけでもなく

ただただ利用者のために、支援を行っているのだ
そんな現状をわかってもらいたい