利用者さん宅に訪問に行き、リビングなどにお邪魔した際
『テレビがつけっぱなし』の時がある
これまで見ていたのだから、そんなこともあるだろうし
生活の場である以上、当然のことである
しかし、これからいろいろな話を利用者さんとしたいときは
テレビの音は邪魔になるので、電源を切ってもらいたいのだが
ケアマネから『テレビを消して下さい!』とはなかなか言えないものだ
そうすると、テレビをつけたまま、会話をすることになるのだが
これが気になって気になってなかなか会話に集中できないのである
多くの高齢者は耳が遠いので、テレビの音もかなりのボリュームで
嫌でも耳に入ってくる
ただでさえ耳の遠い利用者さんに向かって話すわけであるから
テレビの音に負けまいと、さらに大きな声で話すことになる
ここまで来ると運が良ければ
『ちょっと待ってよく聞こえないから、テレビを消しましょう!』
とテレビを消してもらえることもあるが
残念ながら気づいてもらえないことのほうが多い・・・
しかし一方で、放送されている番組が興味のある内容だったりすると
ついつい『チラ見』してしまい、これはこれで利用者さんの話に集中できなくなる
そんな時に限ってテレビを消されそうになるので
思わず『あっ ちょっと まだ消さないで いいところなのに!』
と心の中で叫ぶのであった
春休みや夏休みなどは『高校野球』の放送率が高いが
テレビからアナウンサーの声で
『打った〜 これは大きい〜 入るか〜』
などの絶叫が聞こえようものなら
私の魂は『甲子園球場』まで飛んで行ってしまい
申し訳ないが、利用者さんの話など聞いている場合ではなくなってしまう
ここにいるのは、ただ機械的にうなずくだけの『うなずきマシーン』なのだ
許されるものならば、このまま利用者さんと野球観戦をしたい・・・
事務所へ帰る途中、『あ〜話をしっかり聞けなかったな〜』
と反省する一方
『利用者さんと同じ空間で同じものを観るというのも信頼関係構築に必要だ!』
と早くも自分の愚行を正当化し慰めるのであった・・・
そんなわけであるから
いずれにしてもテレビはついていないほうが良い