ケアマネジャーは
資格を新規で取るのにも
資格を維持するのにも
資格をステップアップするのにも研修を受けなければならない
これが現在、ケアマネの大きな負担になっている
◆時間的な負担
研修名 | 時間 |
---|---|
実務研修 | 87時間 |
実務なし再研修 | 54時間 |
専門研修課程 Ⅰ | 56時間 |
専門研修課程 Ⅱ | 32時間 |
主任介護支援専門員研修 | 70時間 |
主任介護支援専門員更新研修 | 46時間 |
以上のように膨大な時間の研修を受けなければならない
さらにこの研修を5年ごとの更新のたびに受ける
そしてステップアップの資格である主任ケアマネも同様に5年ごとの受講である
つまりこれだけの研修時間を投資してケアマネは資格を維持・継続できるのである
ただでさえ時間に追われて残業しているケアマネが多い中
この研修にとられる時間は非常につらい
実際に更新研修に参加していると
あちこちでカバンから携帯のバイブ音が聞こえ
休憩時間になると慌てて廊下に飛び出し
事業所や利用者、家族と電話しているケアマネを見かける
また研修を遅刻したり欠席したりすると
容赦なく研修未受講となり、資格の更新が出来なくなってしまう
資格がなければ仕事が出来ないということになる為
絶対に遅刻、早退、欠席しないように
ド根性で研修に参加するのだ
『そこまでして研修を受ける意味があるのか?』
と漠然とした疑問が頭をよぎるが
- 愛する家族の為
利用者の為
事業所(会社)の為に
朝早くから夕方遅くまでヘトヘトになりながら研修に参加するのであった
◆金銭的な負担
自分なりに調べてみると
研修名 | 受講料平均 |
---|---|
実務研修 | 5万~6万 |
実務なし再研修 | 3万~4万 |
専門研修課程 Ⅰ | 2万~3万 |
専門研修課程 Ⅱ | 2万前後 |
主任介護支援 専門員研修 | 4万~5万 |
主任介護支援 専門員更新研修 | 3万~4万 |
という調査結果が出た
これを研修時間で割ってみると
研修名 | 時間単価 | |
---|---|---|
実務研修 | 575〜690円 | |
実務なし再研修 | 556〜741円 | |
専門研修課程 Ⅰ | 357〜536円 | |
専門研修課程 Ⅱ | 625円 | |
主任介護支援 専門員研修 | 571〜714円 | |
主任介護支援 専門員更研修 | 652〜870円 |
こうしてみるとかなりの金額を研修に支払っていることがわかる
経費に関して言えばテキスト代が別に請求されることもあるので
さらに5千円〜1万円上乗せされることもある
もちろん研修会場まで行くには交通費もかかるし
研修会場が遠い場合、また大雪などで交通機関がマヒしそうな場合は
前泊 後泊と宿泊費用も掛かってくる
特に地理的な問題で言えば
でっかい北海道や離島の多い沖縄などは研修会場までたどり着くのも一苦労である
また研修費用にしても事業所(会社)が負担してくれる場合もあるが
当然、自腹のケースもあるだろう
研修費用に5万も6万も負担するのは正直つらい
ケアマネの薄給でこの研修費は簡単に支払えるものではない
さらにケアマネジャーは労働者であるから
当然、賃金が発生している
研修参加時間をケアマネの時給換算すると
ケアマネの平均年収を360万として月額30万円(手当 ボーナス込み)
月の平均労働時間は170時間とすると時給1,700円となる
この時給のケアマネジャーが
ケアマネの法定研修に参加した場合、どれだけの経済的損失が出ているかというと
研修時間 | 時給×研修時間 |
---|---|
実務研修 (87h) | 約15万 |
専門研修課程 Ⅰ (56h) | 約10万 |
専門研修課程 Ⅱ (32h) | 約5万5千 |
主任介護支専門員研修 (70h) | 約12万 |
主任介護支援専門員更新研修 (46h) | 約8万 |
以上のように研修に参加することは
労働者であるケアマネという視点からみると
上記のような経済的損失があるわけである
もちろん研修に参加することで得られるものもあるだろうから
損失という言葉が適切かどうかはわからないが
その労働時間を本来ならば
- 利用者や家族の相談支援
サービス事業所等の情報共有・会議開催
ペーパーワーク(書類業務)
等に充当することも出来たわけであるから
今回は損失と表現させてもらう
そんなわけでケアマネは
時間的にも経済的にも負担の大きな更新研修に参加を強要され
そのしわ寄せは必ず利用者に行ってしまい
ケアマネは疲弊してバーンアウトしていくのである
- ケアマネは膨大な時間を法定研修(更新研修に)参加により奪われている
- ケアマネは資格を維持するための研修参加のために高額の参加費を支払っている
- ケアマネが研修に参加する時間を捻出するために、利用者との関わりの時間が奪われている
- ケアマネは研修の義務化により、資格を維持することに対してモチベーションが低下している