平成30年度介護保険改正で、自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助が変更となった
★自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助とは?
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自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助(自立支援、ADL・IADL・QOL向上の観点から安全を確保しつつ常時介助できる状態で行う見守り等)
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自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助(自立支援、ADL・IADL・QOL向上の観点から安全を確保しつつ常時介助できる状態で行う見守り等)
単に、ヘルパーが家事を行う場合は生活援助になるので注意が必要。
例えば調理を一緒に行ったとしても、調理自体が目的である場合は、本人が食べる食事の準備になり生活援助に該当する。あくまでも、本人の自立を支援することを目的として援助に入らなければならない。そのためには、ケアプラン等の目標に『一人で調理が出来るようになる』などの長期、短期目標を記載し、定期的に達成状況を評価し、惰性で支援に入っていないことを証明する必要がある
あわせて「生活援助ではない根拠」を明確にしたうえで、利用者、家族への説明を行う。
★具体的な導入の例
「最初は生活援助でヘルパーが家事支援を行っていたが、徐々に身体状況が改善し、本人も以前のように家事をやってみたいとの意欲も向上してきたので、今後は主婦として家事の再開を希望したことからホームヘルパーと一緒に家事を行うことになり、自立支援見守り(身体介護)に変更した」場合など
「最初は生活援助でヘルパーが家事支援を行っていたが、徐々に身体状況が改善し、本人も以前のように家事をやってみたいとの意欲も向上してきたので、今後は主婦として家事の再開を希望したことからホームヘルパーと一緒に家事を行うことになり、自立支援見守り(身体介護)に変更した」場合など
ホームヘルパーの「見守り的援助」に該当する行為の例が8種類追加されている。
従来は7種類だったが、これで合計15種類になった。
改正後の「見守り的援助」に関する記載は以下の通り。
- ベッド上からポータブルトイレ等(いす)へ利用者が移乗する際に、転倒等の防止のため付き添い、必要に応じ て介助を行う。
- 認知症等の高齢者がリハビリパンツやパットの交換をする際に見守り・声かけを行うことにより、1人で出来るだけ交換し後始末が出来るように支援する。
- 認知症等の高齢者に対して、ヘルパーが声かけと誘導で食事・水分摂取を支援する。
- 入浴、更衣等の見守り(必要に応じて行う介助、転倒予防のための声かけ、気分の確認などを含む)。
- 移動時、転倒しないように側について歩く(介護は必要時だけで、事故がないように常に見守る)。
- ベッドの出入り時など自立を促すための声かけ(声かけや見守り中心で必要な時だけ介助)。
- 本人が自ら適切な服薬ができるよう、服薬時において、直接介助は行わずに、側で見守り、服薬を促す。
- 利用者と一緒に手助けや声かけ、見守りをしながら行う掃除、整理整頓(安全確認の声かけ、疲労の確認を含む)。
- ゴミの分別が分からない利用者と一緒に分別をしてゴミ出しのルールを理解してもらう、または思い出してもらうよう援助する。
- 認知症の高齢者と一緒に冷蔵庫のなかの整理等を行うことにより、生活歴の喚起を促す。
- 洗濯物を一緒に干したりたたんだりすることにより自立支援を促すとともに、転倒予防等のための見守り・声 かけを行う。
- 利用者と一緒に手助けや声かけ、見守りをしながら行うベッドでのシーツ交換、布団カバーの交換等。
- 利用者と一緒に手助けや声かけ、見守りをしながら行う衣類の整理・被服の補修。
- 利用者と一緒に手助けや声かけ、見守りをしながら行う調理、配膳、後片付け(安全確認の声かけ、疲労の確 認を含む)。
- 車イス等での移動介助を行って店に行き、本人が自ら品物を選べるよう援助する。
上記のほか、安全を確保しつつ常時介助できる状態で行うもの等であって、利用者と訪問介護員等がともに日常生活に関する動作を行うことが、ADL・IADL・QOL向上の観点から、利用者の自立支援・重度化防止に資するものとしてケアプランに位置付けられたもの
※赤字(1 2 3 7 8 9 12 13)が平成30年度改正で追加されたもの
平成30年度の改正では、一定の回数を超えた生活援助は保険者へのケアプラン届出が義務化されている
【法改正】頻回な訪問介護(生活援助)のケアプラン届出について解説
一つの例として、現在の生活援助を『自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助』に変更することができれば、取り扱いは身体介護になるので、ケアプランの届け出義務を回避することも出来る。