介護業界のことについて

事業所を変更し続ける利用者

介護保険において利用者は、事業所を自由に選択する事が可能である。
利用者と事業所の契約の元に成り立っている為、これは利用者に認められた権利だ。
先週、利用者(鈴木さん
仮名)から電話が入った。

「ケアマネさん、あなたの紹介してくれたヘルパーさんと合わないわ! 事業所を変えて!」
「何かありましたか?」
「相性が合わないわ!」

今回紹介した『訪問介護事業所』のヘルパーと合わなかったようである。
事業所を変更してこれで5~6事業所目だ。
しかも理由が『相性』とくれば、どうにも解決の糸口が見つからない!
相性も大事であろうが・・・

私はまず、ヘルパーさんに電話をする。

「実は、鈴木さんが事業所を変えたいといっているんです。」
「えぇ~ 何か失礼な事をしたでしょうか?」
「いえいえ、失礼な事なんてしていないんです。」
「理由はなんと言われていたんですか?」
「いや~それが・・・ なかなか難しい人でして・・・」

理由が相性なんて、私の口からは言えない・・・

適齢期を過ぎたわがままな娘を持つ母親が
見合い話を断るときはこんな気持ちか・・・

ついつい「せっかく良い縁談でしたのに・・・」と言ってしまいそうにもなる!

次は、あたらな訪問介護事業所を探さなくてはならない。

「すみません・・・ 新規の相談なんですけど・・・」
「はい、どのような方ですか?」
「はい、それが・・・ これこれこういうわけで、事業所の変更希望がありまして・・・」

この時点でほとんどの事業所は、変更してきた事業所の数に引いてしまい
縁談がまとまらないのである。
しかし、私としては是が非でもヘルパーに入ってもらわなければならないので・・・

「いやいや、そこをなんとかお願いします。きっとお宅様なら大丈夫です!」
などと、軽はずみな事をついつい言ってしまい、かえって信用をなくす始末である

あ~鈴木さん

いつまで、いるかどうかもわからない『幸せの青い鳥』を探し求めるのか~