ケアプランを学びたい

長期目標と短期目標の違い(期間設定)

  『長期目標と短期目標の違いがわかりません』
『このような目標は長期目標の欄に記載しますか?短期目標の欄ですか?』
『長期目標と短期目標はどの程度の期間を設定したらよいのか?
『長期目標と短期目標の期間が同じ期間ではダメなのか?』

ケアプラン作成手順に関するよくある質問だ。

まず模範的な回答をすれば
短期目標を積み上げて長期目標を達成する
さらに長期目標を達成して解決すべき課題ニーズが解決される
と考えるのが妥当である

まずは短期目標の達成を積み上げて長期目標が達成される
次に長期目標の達成によって課題ニーズが解決される
短期目標は解決すべき課題ニーズ及び長期目標に
段階的に対応し解決に結びつけるものである

◆まず目標の期間について

介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について
(平成 11 年 11 月 12 日老企第 29 号厚生省老人保健福祉局企画課長通知)
③ (「長期目標」及び「短期目標」に付する)「期間」
「長期目標」の「期間」は、「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」を、いつまでに、どのレベルまで解決するのかの期間を記載する。
「短期目標」の期間は、「長期目標」の達成のために踏むべき段階として設定した「短期目標」の達成期限を記載する。
また、原則として開始時期と終了時期を記入することとし、終了時期が特定できない場合等にあっては、開始時期のみ記載する等として取り扱って差し支えないものとする。
なお、期間の設定においては「認定の有効期間」も考慮するものとする。


整理すると
・長期目標は生活全般の解決すべき課題に対応するもの
・短期目標は長期目標に段階的に対応し、解決にむずびつけるもの

しかしこれを見ても多くのケアマネは納得がいかないだろう
そういうことではなくて
例えば短期目標は3カ月
長期目標は6カ月とか具体的な回答が欲しい!と・・・

しかし目標期間の設定はどこをどう探しても
短期目標は最長で3ヶ月までとか
長期目標は最長で6ヶ月までとか
長期目標と短期目標が同じ期間になってはならないとか
いう文言は見当たらない

期間の設定は目標達成の締めきりになるのだから
仮にそれが12カ月であった場合
『ちょっと長いんじゃない?』という指摘を受けたとしても
『いやいやこの目標は3ヶ月やそこらで達成できるもんじゃない!』
『最低でも12ヶ月は猶予が欲しいんだよ!』
という根拠が説明できれば、目標期間が12カ月だろうと24カ月だろうと
文句を言われる筋合いはないだろう

ただ、その呼び方も『短期目標』と呼ばれている中で
例えば12ヶ月の期間設定である場合
『それが短期と言えるか?』という問いにどう答えるのか?
しかし、これも12カ月が短いか長いかは個人の主観の問題になってくる

よくよく考えてみると期間設定においてはケアマネだけで決めるのではなく
サービス担当者会議において、利用者や家族、サービス事業所との合意
が得られて決定される
ものであるから
期間設定の根拠を説明し、関係者でのコンセンサス(合意)が取れていれば
特に問題ないと考えるのがふつうである

そもそもなぜ長期目標と短期目標に期間が設定されているのかというと
漫然と漠然と惰性でただ何となくサービス利用がなされることがないようにする為のものだ
期間(締め切り)を決めて、それまでになんとか目標を達成させるように
本人のモチベーションをあげるためのものであるから
一概に3カ月とか6カ月とか言えるものではないのだ

大は小を兼ねるで
あらかじめ長めに目標期間を設定しておき
目標期間途中であっても、利用者の状態変化等があれば計画の見直しはするし

あらかじめ短めに目標期間を設定した場合も
利用者の状態に変化がない場合は
単なる目標期間の延長で軽微な変更の取り扱いをすることもあるわけだ

短期目標の有効期間切れの際のケアプラン見直しについて
単なる目標設定期間の延長を行う場合(ケアプラン上の目標設定(課題や期間)を変更する必要が無く,単に目標設定期間を延長する場合など)については,「軽微な変更」に該当する場合があるものと考えられる。
なお,これはあくまで例示であり,「軽微な変更」に該当するかどうかは,変更する内容が同基準第13条第3号(継続的かつ計画的な指定居宅サービス等の利用)から第11号(居宅サービス計画の交付)までの一連の業務を行う必要性の高い変更であるかどうかによって軽微か否かを判断すべきものである。


◆長期目標と短期目標の違い

『トイレまで自分で行けるようになる』は短期目標ですか長期目標ですか?
答えは
『人(利用者)によって違う」だ。
その人にとって
トイレに行けるようになるのが最終的なゴールなのか
さらにその先の外出先でも自分でトイレに行けるようになるが最終的ゴールなのかは
人によって違う
例えばダイエットを目標にしている人で
『5kg痩せる』ことが長期の目標になる人もいれば
『5kg痩せる』ことは通過点に過ぎず、自分の長期目標は10kgだという人もいる。
であれば『5kg痩せる』はこの人にとって短期目標になる。

『自宅で友人と囲碁ができるようになる』が長期目標になる人もいれば
さらにその先の
『碁会所まで行って囲碁ができるようになる』が長期目標になる人もいる。
であれば『自宅で友人と囲碁ができるようになる』は短期目標になるかもしれない。
重要なのは
実現可能であり、かつ本人の意欲を引き出し、前向きに取り組むことができる
目標は何かを利用者とともに考えていくということだ。
その人の意欲や能力と照らし合わせながら、長期にすべきか短期にすべきか

をともに考えていくということだ。
講師や上司が『その目標は長期目標ですね。』などと答えられようはずがない。
この目標は長期目標になりますか?短期目標になりますか?は
ケアマネ講師や上司に聞くことではなく
利用者や家族とともに考えることだ!

次に長期目標と短期目標の期間について
・長期目標の期間:『生活全般の解決すべき課題ニーズ』をいつまでに、どのレベルまで解決するかを明記
・短期目標の期間:長期目標の達成のために踏むべき段階として設定した期限
※原則として目標の終了期間を記入するが、特定出来ない場合に会っては、開始時期のみの記載でも差し支えない
※期間の設定においては『認定有効期間』も考慮する

目標期間のチェックポイント
☑達成可能な機関となっており、モニタリングの目安となっているか
☑目標に応じた個別性の期間になっているか
☑長期と短期の目標期間が同じでないか
☑日付が〇ヶ月という標記になっていないか

目標内容のチェックポイント
☑短期目標は長期目標を段階的に分けた目標になっているか
☑短期目標はモニタリングで達成度が評価できる目標になっているか
☑短期目標は抽象的ではなく、誰でもわかり易い表現になっているか


コピペで使える経過記録文例集 ケアプラン編
ケアプラン同意
【ケアプラン同意】
ケアプランの内容について利用者及び家族に書面をもって説明した。その際、複数のサービス事業者等の中から選択を可能であることをとを説明したうえで、合意を得て文書で交付する。
また、利用者及び家族からサービス事業所の選定理由について申し出があった場合、その選択理由・根拠を説明することを伝える。
【ケアプラン口頭同意】
〇〇の理由により、ケアプランの内容について事前に利用者及び家族、サービス事業所に口頭同意を得て暫定でサービスを開始した。
【ケアプラン交付:本人】
利用者及び家族に対してに居宅サービス計画等(1~3表)について説明し、同意の署名捺印を頂き交付する。
【ケアプラン交付:事業所】
介護サービス事業所に対してに居宅サービス計画等(1~3表)について説明し、同意の署名捺印を頂き交付する。
【個別援助計画提出依頼】
〇〇事業所 〇〇氏に対して個別援助計画の提出を依頼する。
【個別援助計画の受領】
〇〇事業所の〇〇氏より個別援助計画を受領する。
ケアプランの内容と相違がないこと確認する。